2世紀から3世紀に書かれたとされる「傷寒論」
日本は弥生時代で卑弥呼がいた時代
ヨーロッパではローマ帝国がキリスト教を迫害していたころ
中国は三国時代で五丈原の戦いがあった時代に,よく使われる漢方薬の上位に入っている葛根湯が完成していたなんてすごい
人類の宝です
風邪の引き初めに飲むと汗がでて,軽い脱力感と少し胃のあたりがすっきりしない感じを残して気分が随分と良くなります
子供が小さきときは砂糖を混ぜたりして飲ませたものでした
生姜だと思うのですが辛みがあります
耐えられないものではないと思います
風邪気味のときは葛根湯をのんで鍋焼きうどんを食べるとか葛根湯を生姜湯とともに摂取することは聞いたことがありますし,実際,同じようなことをして効果を感じます
傷寒論には背中がこわばり,熱が出て,風にあたると気分が悪くなったり息苦しさを感じたり,体が痛い状態に適する処方だそうです
感冒に加えて髄膜炎 破傷風 狂犬病 も適応であったようです
抗生物質がなく保健状態がよくなかった時代ですから,ほんとに藁をすがる気持ちで葛根湯は使われていたのでしょう
適切に採取加工した 芍薬 甘草 けいし 大棗 葛根 麻黄 生姜ををつかって適切に抽出した葛根湯を使用できたのはごく限られた患者様だったのでしょう
現在の感冒に使用するにあたって目標とするものは汗が出ず,寒気を伴う発熱です
体の水分流通をよくして筋肉の強張りをおさえることが処方の目的です
麻黄 けいし 生姜はいかにも汗をかきそう
芍薬は筋肉の強張りをゆるめてくれそうです
汗のある/なしは患者様の病状を知るのに重要な症状です
汗がないのは体が病気と闘っている「実」の状態で病初期と東洋医学では考えます
なるほどおもいあたることはあります
葛根湯に附子を加えたものが三叉神経領域の帯状疱疹に効いた報告があり興味深いです
体の免疫反応と葛根湯の相性を脈で判定します
「浮脈 数脈」で使用し,「沈脈」で使用しません
1800年前の薬が現在も生き続けています