和漢診療 漢方処方 温裏補陽剤

漢方治療は「養生」と「未病を治す」そして「病気を治す」ことに関わります

漢方薬と現代の成分薬は得意分野があります

成分薬は抗菌・抗炎症・降圧・脂質低下・血糖低下・抗腫瘍など行きすぎた状態を押さえることが得意です 

この考え方では免疫チェックポイント阻害剤は免疫を不活化させるので今までの成分薬とは異なった印象をうけます

免疫チェクポイント阻害剤のように患者の持つ力を引き出して病気を治す考え方は漢方薬の得意なところです

成分薬と漢方薬は引き算と足し算・対峙する症状が比較的限られた愁訴と多くの愁訴です

治療戦略において両者を組み合わせることは有用です

では漢方薬が有効な症状 使うべき状態 西洋薬でパンチのあるものがない領域はどこでしょうか

個人的な考えですが,水分の不均衡是正・微小循環の改善・体を温めて体力を引き出す分野において漢方薬は効果を発揮するのでは考えます 

冬から春に向かう時期,首元がうすら寒かったり,気温が上昇したことに喜んで張り切ると夕方の気温低下と疲れで寒気を感じたりすることはないでしょうか 

そのような冷えを感じることは慢性的な疾病あるいは「未病」の状態であるとおもいます

ここで使用される漢方薬は補剤 あるいは 温裏補陽剤ではないでしょうか

寒気に注目すると温熱補溶剤が注目されます

舌が白っぽいくてつるつるするとか脈に元気がないとき,この方剤の証になります

備忘のために方剤と生薬の一覧をつくりました

主要成分の*マークは太くしました

(朝鮮)人参・シナモン・山椒・飴・セリ科植物が主成分の薬が多いです

寒気を感じるときに甘いシナモンスパイスのはいった飲み物をとると体があたたまる現象は3世紀(日本の古墳時代)から知られていたし薬として探求されていたようです

アルコールが入ってない点も注目です

お酒は弥生時代からあったようですが,薬効成分の主役ではないようです