ディスレクシア入門

 次男は漢字がかけません。なんとなく文字はよめますが画数の多い漢字は歯が立ちませんし,ひらがなの読みは不正確で時間がかかります。

 ディスレクシアというのだそうです。 

 ディスレクシアは神経学的な原因による特異な学習障害です。

その特徴は単語を認識する困難さ,つづりの稚拙さ,単語を音声に変換する弱さにあります。こうした困難さは,主に他の認知能力や学校での効果的指導からは予測しない言語の音韻的な側面に対する弱さが原因です。 二次的に読解の問題を引き起こしたり,読みの経験が少なくなったりすることで,語彙や予備知識の発達を障害することが起こりえます。複数の領域で落ち込みがみられることもあります。読み書きの問題は,狭い意味での学業に影響するだけでなく,一般的に語彙や知識の習得にも影響します。どんな本の中にも,私たちが日常会話では用いない語彙がたくさん使われています。読書好きな子供は,本を読むことを通して,豊富な語彙を取得し,書かれている内容から広い知識を得ることができます。しかし読むことに困難があると,文字を通した学びが妨げられ,一般的な語彙・知識の拡大が阻まれ,学業だけにとどまらない影響が懸念されます。(加藤順子編 ディスレクシア入門 日本評論社 2016)

1990年代にはいりfMRIによる脳機能の研究が一般化すると,成人の読み書きの場合,(1)左下前頭域(前方系),(2)角回,上縁回,上側頭回の後部(背側頭頂から側頭系),(3)中側頭回,中後頭回(腹側後頭-側頭系)の3か所に活性がみられ,発達性ディスレクシアの成人では(1)前方系のみ活性化していました。

1年間の適切な指導で(2)背側頭頂-側頭系や(3)腹側後頭-側頭系にかかわる部分も活性化しました。(サリー・シェイウィッツ 読み書き障害のすべて PHP研究所 2006)

ShaywitzS: Overcoming dyslexia: a new and complete sience-based program for reading problems at any level. AA Knopf. Random House 2003 改変

 Shaywitz Sの報告はディスレクシアに複数の責任部位があることと,それらは可塑性をもつことを示唆しています。

 cocoatoochaは次男に対して不安感や混乱した感情をもった時期はありました。現在は次男のことを不思議だな,かわいいなと思います。善良で困ったときは助けを求めれる大人になって欲しいとおもっています。

次男が自分の言葉で世界観や困り感を少しずつ教えてくれるようになったころから,cocoatoochaは次男にずいぶん気持ちが近くなり,cocoatoochaの不安感が薄らいだように思います。

 

コメントする