1993年かな.
cocoatoochaは胸部外科の研修医でした。
消化器外科医として食道癌や噴門部癌に対峙するために呼吸器外科施設で働いたのです。
そのときは何でも悪性腫瘍にみえていました。胆のうポリープや胃の黄色腫にであってはおびえていました。
胸部外科では胸膜プラークにびっくりしたのを覚えています。
胸膜播種かと腰をぬかしたものでした。
ほんと医学の道は長大。
昨日の石綿肺に関する産業医研修会。
わすれていた胸膜プラークをよびおこされました。
アスベスト暴露と関連があること・プラークは大きくなること・プラークは前がん病変ではないことを勉強しました。なるほどな・・・。
組織像の説明はありましたが詳しい成因はwebを見ても探しあてられませんでした。
胸膜プラークの発生機序はアスベスト小体による慢性炎症の結果なんだろうなと想像します。慢性炎症の別の形が肺がん・中皮腫なのではないでしょうか。
動脈硬化は脂質貪食マクロファージが炎症を起こした結果でしたっけ。
当時は悪性腫瘍の診断・術前術後管理・麻酔科との折衝・手術・合併症対応・再発対応にエネルギーをつかってて,なにかゆっくり物を考える暇がなかったな・・・と思い返す次第です。
どきどき・びくびく・いらいら・あせあせしていたことがいい思い出です。
いい思い出が多く残ります。
それにしても,ほんとに医学は長大。
人間がこの世をさるのは定めであります。
それに抗う医術はいわば負け戦です。
医者たるもの名誉ある敗退を続けていきたいと思います。
名誉ある敗退といえばネコ。
ラグビーの初公式戦がんばったね。左のフルバックかな。
名誉ある敗退だよ。すばらしかったよ。かっこよかったよ。それと大切なことは・・・ケガに気を付けてね。