ディスレクシアの頻度と言語の特性

加藤醇子,ディスレクシア入門 「読み書きのLD」の子供たちのを支援する 加藤醇子編,日本評論社,2016  

海外のディスレキシアの頻度は,英国で3-10%(スノウリング,2000年),米国5-17.5%(シュイウィッツ,1997年)と報告されており,イタリア1%(1969年)と報告されており,英語圏で圧倒的に頻度が高く,イタリアは日本と同じくらいで,言語による頻度の違いが判ります。この言語の違いについては,タエコ・ワイデルとバターワースの研究は「粒性と透明性の仮説」(1996年)によって説明されています。仮名文字は音と文字の対応が透明(規則性)で文字の粒が粗いので,ディスレクシアの出現頻度は低く,英語は音と文字の対応が不透明(不規則性)で文字の粒は音素など細かく,したがってディスレクシアの出現頻度が高いと説明されています。

 文字の音韻が単純明瞭で読み方の種類はすくないものが読み書きしやすい。もっともなことです。パンダ君が最初にひらがなを覚えたのもうなずけるところです。

 文字の音韻が単純明瞭で読み方の種類が少ない表記を使うことが語彙をふやすことの手がかりになりそうです。


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