八味地黄丸の適応を決める理学所見に鏡面舌があります
鏡面舌は白苔のない光沢のある舌です
西洋医学(ちょっとこの表現もなあ・・・)でプランマービンソン症候群(鉄欠乏性貧血を原因とした症候群)や悪性貧血のハンター舌炎で鏡面舌をみます
鏡面舌は東洋医学で陰虚として表現される体液の不足あるいは潤いの不足とされます
このためこの症状があるときは補血滋陰の薬効がある地黄製剤が選ばれます
補血滋陰とは血液の質・量を正常に近づけることをいいます
鏡面舌を西洋医学では貧血の症状と説明し,東洋医学では陰虚の症状と説明しますが本質はいずれも血液の質と量の異常ですの
東洋医学診断の正確さに驚かされます
昔の人はその所見を知り,対処する生薬を知っていたのです
八味地黄丸は地黄と牡丹皮と附子が入っている聞いただけでパンチのありそうな配合
八味地黄丸は胃腸が丈夫なことが大切な条件です。前立腺肥大・高血圧・腰痛にききます
東洋医学における血 水 寒に効く感じ
ただし・・・血を血流 水を浮腫 寒を低体温ととらえるとミスリードになってしまいそう
血はエネルギー 水は免疫 寒は低温耐性ととらえると実際のんだときに効果を実感します
八味地黄丸は夕方飲むと床に就いたときお腹の底が温かく感じます。
寝る前に取る水分を少なくして,寝室の温度を温かくすると夜間の尿意があることがへるのですが,八味地黄丸を飲んだ日は確実に尿意はなくなります
冬の外仕事をしたあと,関節がこわばったうえに,体が冷え切ったとき
八味地黄丸をのむと,風呂や食事でとりきれない体の冷えが,布団の中でじわじわ取れてゆくのを感じます
体が疲れているときは起き抜けに胃のあたりが重い感じ
胃腸が弱い場合は真武湯がいいみたい
胸脇苦満をみとめないか軽度のものに対する補剤の位置づけ
漢方でいう「腎虚」
色黒で筋肉の緊張がよい方へ
糖尿病に関連する諸症状にきくとされていますが目標は血糖のコントロールではなくてあくまで関連症状の改善
動脈硬化による体温調整不全症状の「手足の冷え」「手足のほてり」に効くとされていますが「手足のほてり」にはなかなかなか効いた感じがすることが少ない印象
経過の長い,消化機能の正常な方の蛋白尿や血尿,高血圧にいいともいわれるが重大な状態にはまずは西洋薬(なんか変な表現ですけど)で様子を見た上での八味地黄丸の検討にしたい
加齢による正常な判断力低下にも効くとのことですが使ってみて,まだこれはまだよくわからないですね
女性にも使えると記載されてます
高齢女性の下肢のしびれや粘りのない帯下にいいとのこと
老人性膣炎にもいい
使用で楽になられるかたは多いのではないだろうか
ステロイド長期使用による腎虚お血に検討していい方剤と記載されてもいる
ステロイド紫斑・ステロイド使用中元気がでない なんてことは臨床検査に反映されないからお話を聞いてちょっと試してみる使い方になりそう
へそから下の薬といわれる方剤
胃腸障害を防ぐにはお酒とのむといいみたい
六君子湯や補中益気湯とあわせるのもいいとのこと
胃腸障害で注意が必要なの地黄製剤のほかに山梔子(クチナシ)製剤の加味逍遥散 黄連解毒湯
脱線するけど山梔子製剤は驚くべきことに嘔吐する時にはつかわないことになっています
昔のひとは腸間膜静脈硬化症なんて知らなかったはずなのにねえ